今年は、3月中旬目途で病院を出る方向で検討を進めます。
病院という隔離された状態で周りが高齢者ばかりの生活が、愛美にとって決していいとは入院当初から考えていません。しかし、病院以外の選択肢が在宅と施設だけであり、現在の制度や地域の取り組み等の状況では、愛美のような医療的ケアおよびリハビリが必要な重度の障害者が生活する場を確保できませんでした。今も状況は変わりませんが、置き去りにならないために、まず踏み出すことにしました。
施設はリハビリが期待できないため、選択の余地はなく在宅での検討となります。病院から出ると言っても良くなって退院するわけではないので、病院での医療・看護・介護・リハビリなどをそのまま自宅で実現しなければなりません。さらに、医療的な緊急事態だけでなく停電や災害のような生命にかかわる危機管理を最優先に、もれなくリスクを洗い出し対応できるようにしておく必要があります。そして、勉強したいという本人の希望を踏まえ、特別支援学校高等部への4月入学も視野に入れています。
愛美の生活を支えるために、多くの組織や人が関わることになると思います。愛美を中心にして、相談支援事業所や市(行政)、障害福祉サービス事業所、病院・訪問看護・訪問リハビリ、学校、ボランティア、そして私たち家族が取り囲み、互いに連携し一体となって愛美の人生を支援する必要があります。
家族が愛美と一緒の中心に位置づけられると、愛美に対する緩衝材として、制度やサービス等の支援の不足分を「たちまち」とか「しかたがない」、「家族なんだから」と割り当てられ、結局何もかも背負って共倒れという、典型的な悲劇の構図に陥ってしまいます。支援の考え方として、家族が他の支援機関と同じ位置にいることが非常に大切です。
とはいっても、実体のない現状での在宅への取り組みは、不安で押しつぶされそうになりますが進むしかありません。
なかなかパーッと明るいお話ができず申し訳ありません。
“でも安心してください。諦めませんよ。”
必ず愛美が楽しい人生、幸せな人生を送れるようにします。そのためにも、本年を「新たに踏み出す」年と位置づけたいと考えます。